鍼って痛いですか?
鍼って痛いですよね?
初めて鍼灸治療を受ける方から必ず受ける質問です。
まず、どんなハリをイメージされていますか?
注射針? 縫い針? 安全ピン? 画びょう? 釣り針?
これらを何本も刺したら当然痛いですよねー!、拷問です。
鍼はこれらとは、太さ、形状、が全く違います。
もう一度、注射の針や縫い針とは全く違うのです!!
では、理論的な話。
一般的な静脈採血で使われる針の太さ(ゲージ)は21〜23Gだそうです。外径(直径は約0.9o程度)
これに対して、鍼灸治療で使われる針の太さは0.16〜0.2oです。
要するに1/4程度の太さしかないです。
面積でいうと、20〜30分の1程度になります。
これだけでも、大きな違いです。
鍼でも、01番鍼(0.14mm)と3番鍼(0.20mm)では刺激量はかなりの差があります。
よって、注射器の針と鍼灸のはりは別物なのです。
次に目的による差の話。
静脈注射は血管を貫いて薬剤を注入することを目的としています、この血管を貫き破るときに痛みが起こります。
血管を突き破る用に針先は非常に鋭く組織を切り裂くように造られています。
血管の周りには痛みを感じるセンサーが多くあり、これらを切り裂くわけですから当然痛みを強く感じます。
一方、鍼灸治療は血管は目標としておりませんし、組織を押し分けていく形状になっているため、痛みはほとんどありません。
また、非常に細く柔らかいため、血管ような硬い組織を貫通させることはできません。
この点が大きく異なるので、痛みをほとんど感じることなく治療が受けられます。
次に、施術者の経験の差の話。
やはり、技術や施術経験の差による違いはあります。
鍼に限らず、注射やマッサージなどでもあるように、経験の差で余計な痛みを与えてしますことがあります。
鍼では、皮膚を破って鍼を刺す動作を切皮(せっぴ)といいますが、この皮膚にも痛みを感じるセンサーが多くあって、皮膚を破るときに痛みを感じます。
経験豊かな鍼灸師は痛みを出さないように、皮膚を適度に張って、素早く真直ぐに刺入すことで痛みを最小限で切皮することができます。
しかし新米の鍼灸師は、この切皮痛を与えないで鍼を刺入するのに苦労します。
また、細い鍼ほど刺入するのが難しいです。
細い鍼ほど、鍼が曲がりやすく真直ぐに刺すのが困難です。
このように、鍼治療は注射に比べると圧倒的に痛みは少なく、筋肉を弛緩させたり、自律神経を整えることができるとても優れた医術なのです。
当治療院でも、初めて鍼治療を受けて、痛すぎて鍼治療が行えなかった方は一人もいません。
鍼以外の様々な治療を受けたが効果が上がらなかった方、今一度、鍼治療を検討してみてはいかがでしょうか?